甘い言葉で「使い捨て要員」を誘い込まない 飲食業界にも優良企業はある

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24時間営業なしでホワイト化進める「はなまる」

   ダイタンフードでは朝礼で理念唱和をおこなうため、それが嫌なスタッフや教育的なサポートが合わずに辞めていく人もいるようだが、共感したメンバーの定着率は高い。社員の離職率は毎月平均2%弱。アルバイトの離職率も毎月平均6%以下だ。厚労省が発表した最新版の「新卒就業後3年以内の離職率」では、飲食サービス業の平均は48.5%である。

   うどん店「はなまるうどん」のはなまるは、セルフ式讃岐うどんのチェーン店としては店舗数でも売上高でも「丸亀製麺」に水をあけられた状況ではある(丸亀:690店・646億円、はなまる:322店・221億円)。

   しかし、讃岐うどんの本場である香川県下では最大店舗数を誇り、情報誌「月刊タウン情報かがわ」が行った「香川県民が選ぶ大好きなうどん屋」のアンケートでは、「よく行くうどん店」「大好きなうどん店」とも2位以下を大きく引き離すトップブランドである。

   同社がホワイトな点としては、同業界にありがちな24時間営業店がないことによるところが大きい。完全週休2日制、夏冬の休みのほかに退職金制度もあり、子供手当や、子供の入学や結婚の祝い金といった手当も支給される。

   転勤時は家族連れでもOKで、引越費用も全額会社持ち。さらに異動手当もあり、住居も会社が探して家賃の一部を負担する。単身赴任の場合も帰省手当まで支給するという手厚さだ。他にも中途採用の面接時に、応募者の事情によっては会社側から出向いて面接することまで明記している。

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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