臨床心理士・尾崎健一の視点
パワハラと言われかねないので注意が必要
課長はきっと、優秀な新卒社員を前に、大きな期待をかけているのでしょう。しかし、それが本人にとっては重荷になり、かえってモチベーションを下げることになりかねません。目標というのは、組織として必要な数字という以外に、本人にとって達成可能性がなければやる気を削いでしまいます。いくら業務の範囲とはいえ、どうみても達成不可能な数字を押し付けるようなら、パワハラと言われかねないので注意が必要です。
一方、本人の能力を見極めたマネジメントであれば、必ずしも前例や他人との比較ではない高い目標や課題を設定することは、悪いことではありません。先輩ができない水準を、新人が新しいやり方でクリアすることもありえます。「期間限定で試してみないか」と提案し、例えば1か月間、上司が設定した目標に向けて、精一杯やってみる。その後で会社の支援や自分の限界を把握した上で話し合えば、お互いの合意点が見いだせるのではないでしょうか。