元気があれば何でもできる。目標訪問件数を倍増ダーー!――こんな、アントニオ猪木氏を彷彿とさせるような上司だと何かと大変そうだが、部下がことあるごとに「できません」を連発する職場というのも意気があがらないようだ。
「本人の育成のためなのに…」。与えた課題に対して「できない」を繰り返す新卒社員に不満を抱える課長が、この社員を異動できないものか、と人事部に相談。担当者は、どうしたものかと迷っている。
課長「これじゃあチームワーク成り立たない」
――製造業の人事担当者です。営業部の課長がやってきて、「うちの部署に来たAが使えないから、異動させてもらえないかな?」と要望してきました。
営業に配属された新卒のAくんはOJTも終わり、この秋から担当顧客と新規開拓を任せることになりました。仕事はそつなくこなしていますが、問題は課長がAくんの育成のために出した高いハードルの課題をことごとく「できない」と断るのだそうです。
課長が「これから半年の顧客訪問件数は、月間60件を目標にやるぞ!」と言うと、
「えー!? 今でも月40件がやっとなのに、60件なんてできるわけないじゃないですか。先月の訪問件数トップのB先輩が45件ですよ。非現実的な目標だと思います」
と反論します。また、「今やっている技術勉強会のペースを上げよう。来週の発表担当者からは、1週間に30ページずつ勉強して順番に発表してもらう」と言うと、
「今でも残業に加えて勉強会で負担なのに、これ以上いつ勉強するんですか。これ以上残業が増えたら、プライベートの時間が犠牲になってしまいます」
と受け入れる姿勢を見せません。
課長は「言うことを聞かないやつがひとりいると、課員への影響もある。これじゃあチームワークが成り立たない」と困り果てている様子。しかし、入社して半年で異動というのも変ですし、課長をどうサポートしてあげればよいのか迷うところです――