遠慮なく「ダメ」と断る九州が心地よかった米国人
ツイッターには「関西弁を使わなければいい」との指摘があった。関西の企業が作成しているマニュアルでも、日本人上司の側から歩み寄って意思疎通を円滑にするようアドバイスしているそうだ。ただ関西に限らず地方出身者にとって、何かの拍子に「お国言葉」が出るのはとめられないだろう。
実は日本人社員にとっても、外国人社員との日本語でのやり取りは時に悩みの種となる。2013年10月2日付「マイナビニュース」では、500人を対象に「外国人社員と話すに当たっての苦労、悩み」を聞いた。双方が日本語で話すケースでは、「たまに日本語が通じなく、その説明の日本語も通じなくて説明のしようがなくて困った」「日本語が話せても、書けない人は結構多い」「敬語が苦手なのか、たまに上司にもタメ口のような話し方になっている」といった意見が寄せられていた。いずれも確かに面倒だが、本人の日本語力向上のために日本人社員が面倒を見てあげれば相互理解が深まるのではないか。
なかには、「日本人ならではの愛想笑いが理解できなくて怒り出したりしたことがあった」という回答もあった。ケースは違うが、関西弁のニュアンスを取り違えている外国人社員と同様、誤解から生じるものだ。これもやはり、丁寧に説明するしかないだろう。
もっともこんな事例もある。東京の大学に勤務していた米国人教員が、九州の大学に転職した。日本語は堪能だが、九州に住むのは初めてだ。本人いわく、物事を断ったり否定したりするときに、東京では少々遠まわしで分かりにくい表現を使われたが九州では遠慮なく「ダメ」と一刀両断にする、それがかえって心地よかったという。別の例では、関西の取引先で中国人社員が「関西弁を話していて驚いた」という声もある。外国人によっては、方言の言い回しやニュアンスの方が腑に落ちたり、高い順応性でその土地の言葉を習得したりすることもあるようだ。