歯止めかからないパワハラ増加 厚労省「対策ハンドブック」効果あるか

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トップの「方針打ち出し」で予防できるものか

   このほかにも、上司から年中「辞めれば」とののしられる、また派遣社員や非正規社員からは、上司から無視され馬鹿にされる、社長に暴言を吐かれたので「辞めたい」と申し出たら「損害賠償で訴える」と脅された、と被害報告は枚挙にいとまがない。

   厚労省は9月27日、「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」を作成し、都道府県労働局や労働基準監督署での配布、インターネット上での無料ダウンロードで周知すると発表した。

   ハンドブックの前半には、パワハラの現状の解説がある。どのような職場で起きやすいかを企業調査したところ、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が51.5%と最も多かったと説明。残業が多く休みがとりにくい、失敗への許容度が低いといった要素も、パワハラを生む原因になりうるそうだ。

   予防法としては、トップが「職場のパワハラはなくすべき」と明確に方針を打ち出す必要性を強調。そのうえで就業規則など文書で、パワハラ行為に及んだ人を厳正に対処するルールを決める。

   さらにアンケート調査で実態を把握し、職場研修の実施、ウェブサイトや掲示物を使ってパワハラ防止を周知徹底する、といった対策をアドバイスしている。具体的な取り組み事例では、従業員数8500人の大規模な建設企業をはじめ、全17社が紹介されている。

   悪化するパワハラの予防、解決に国が動き出したが、ツイッターの反応はいまひとつ芳しくない。現在進行形でパワハラを推奨しているような自覚のない企業は、「防止ハンドブック」など読まないのではないかとの疑念が多いのだ。実際に社長自ら「ハラサー」としてパワハラを仕掛けている事例も少なくない。どこまで「改心」を迫れるかは未知数だ。

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