臨床心理士・尾崎健一の視点
病気の原因が長時間労働なら一方的な降格は難しい
職務遂行能力により職位を決める観点から、降格はありえるものの、降格の精神的影響で病気を悪化させる可能性も考えておかなければなりません。休職理由がメンタルヘルス不全であることの配慮は必要です。課長職のままで評価・処遇を下げる方法や、係長ではなく課長代理や○○担当課長といった肩書きにするといったショックを和らげる方法も考えられます。同時に、職務遂行能力が戻れば職位や所属を戻す可能性など、希望の持てる可能性についても触れておけるとよいでしょう。
また、病気の原因が長時間労働やハラスメントなどの業務起因性があるかどうかを十分確認しておかなければなりません。業務起因性がある場合には一方的な降格は難しく、労災の可能性も考慮しなければなりませんので、配慮の内容も幅も変わってきます。十分な配慮と本人との同意が必要です。