国内外に飛行機で出張する際、往復の機内では何をするだろうか。映画を楽しんだりぐっすり眠って疲れをいやしたりと、リラックスする人が多いかもしれない。
しかし元CAによると、同じ乗客でもファーストクラスでは機内の過ごし方に特徴があるという。読書の内容も特定の分野に人気が集まっている。
「社長ご推薦」の棚には歴史本がずらり
「プレジデントオンライン」2013年9月25日付の記事では、元国際線CAの美月あきこさんが、ファーストクラスの乗客の共通点を語っている。
それは「読書家」という点だ。多い人は1度に10冊以上を持ち込んでいた。さらに観察すると、ビジネス書よりも「歴史や文学、考え方のヒントとなるような本」を好むことが分かったという。
最も人気が高いのが、将棋の本だ。「相手の出方を読むという意味では、将棋は経営者の方々に親和しており、人気が高いのかもしれません」と美月さんは推測する。
将棋本の他には歴史小説、なかでも司馬遼太郎氏の人気が高く、フィクションでは浅田次郎氏や池波正太郎氏の名前が出た。
「プレジデントオンライン」の「経営者の一冊」のコーナーには、文字どおり「社長ご推薦」の本が並んでいる。最近の記事を見ると、美月さんの話を裏付けるものが多い。
例えば京セラコミュニケーションシステムの佐々木節夫社長があげたのは、城山三郎氏の「落日燃ゆ」。セーラー万年筆の島義雄社長は「堂々たる日本人 知られざる岩倉使節団」、富士重工業の吉永泰之社長は「渋沢栄一100の訓言」、トーセイの山口誠一郎社長は「『中国古典』の教え」を選んだ。
いずれの経営トップも、歴史に名を残した人物の行動や考え方、金言から学ぼうとの姿勢が強いようだ。
一方、ファーストクラス「非常連組」は読書家が少数派だ。ファーストクラスのサービスを堪能するのに夢中なのかもしれないと、美月さんは言う。