「旦那の会社がもっと給料くれてりゃ、働かなくて済む」
「専業主婦」を巡る議論は、ネット上でこれまで何度も繰り返されてきている。夫婦ゲンカともなれば、夫は「オレの稼ぎで3食昼寝付きの毎日かよ。いい御身分だな」とイヤミを言い、妻は「家事も子育ても立派な仕事よ。あなた家で何もしないじゃない」と反撃する――。こんな構図が典型的だろう。
ネットでは、「旦那の会社がもっと給料くれてりゃ、妻は働かなくて済むんだよ」と主婦願望を叫ぶ女性や、「働かずに食う飯の旨さは格別」と皮肉めいた書き込みといろいろだ。
厚労省の調査でも「結婚相手の女性は専業主婦になってほしいか」との問いに、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた男性の割合は、世帯年収200万円未満では16.5%と低い数字だが、1500万円以上だと28.6%だ。
年収が十分でない夫からは「妻にも働いてほしい」との本音が垣間見えてくる。曽野綾子氏の「出産したらお辞めなさい」問題も、結局はデフレ経済下で夫の収入が低いから「やりたくてもできない」ということなのだろう。
また、薄給で過酷な仕事が多く、「専業主婦になりたいって思う女性を責めるなら、そう思わせるような労働環境を考えてみろよとは思うね」という指摘もある。
しかし、仕事が厳しいのは男女とも同じだ。「たぶん、専業主夫になりたい人も同じくらいいるよね」「なぜ専業主夫の項目がないのか」という書き込みも。そう言われると、なぜ調査に「専業主婦」しかないのかと不思議に思えてくる。