臨床心理士・尾崎健一の視点
「そこまでする必要があるの?」という不満にも配慮
勤務中にスマホをロッカーに入れさせるルールは、研究所や工場、コールセンターなどでは当たり前にされていることです。ただ、仕事の性質や忙しさ、給料の高さや普段の仕事ぶりなどを踏まえ、「そこまで徹底する必要があるの?」という不満が出る可能性はあるでしょう。従業員の気持ちとリスクのバランスを取って判断すべきです。
職場のネガティブ情報をネットに流されない最良の予防策は、不満の少ない労使関係づくりと、誠実な経営だと思います。現代のネット社会では、文字通り「人の口に戸は立てられぬ」ものです。仮に誰かがあることないことを発信しても、「そんなはずはなかろう」と思われるような評判づくりも大切です。
とはいえ、昨今の「事件」は誠実な経営をしていても起こりましたし、普段の評判とは別に「まさかあの店が」と噂が広がりました。上記の努力に加え、「万一やった場合の厳しい対処」を採用時に確認し抑止力とすることも必要かもしれません。