危ない「底上げ」の女性活用 急ごしらえ管理職ではトラブルも増える

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「育休取るなら席はない」と言い放った28歳女性上司

   生活情報サイトのAll Aboutには、28歳女性から長期育休取得の際に嫌味を言われたという相談を寄せていた。

「女性の敵は女性って、本当なんでしょうか」

   妊娠報告を聞いた上司は「半年以上休むなら席はなくなっている」旨の発言をし、他部署で前例があってもウチの部署は別、と追い打ちをかけたという。

   この相談に回答者は「敵じゃなくて『アンテナの違う仲間』と理解できたら、みんな仲良くできるような気がする」とアドバイス。上司のアンテナは仕事上の責任に向いており、相談者の女性は妊娠・出産に向いているというわけだ。

   経済評論家の勝間和代氏は日経ビジネスオンラインの特集記事で、日本の女性活用は他の先進国と比べ「一世代分遅れている」とし、企業の女性登用について「今後働く女性の数が増えれば自然と解決されていくのでは」と述べた。

   DeNA創業者の南場智子氏も同じ特集で、経済界の積極的な女性活用について「大賛成」とする一方、女性管理職を増やすための底上げ人事は「頑張っている女性に失礼」と指摘し、「クオータ制(一定割合の女性枠を設けること)のように女性管理職を増やして短絡的になるのは支持できない」と述べた。

   確かに我が国の女性活用の遅れは、組織やキャリア全体を覆う構造的な問題から来ており、数字だけを取り繕ってもムリが出るだけだ。女性のキャリアに対する基本的な考え方を改め、採用から変えて数年単位で花が咲く取り組みが必要なのかもしれない。

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