職場の同僚の机がスゴい。書類は積み上がって、山どころか、崩れて川までできている。コップは洗わないまま何個も放置され、お菓子の食べカスが散乱。ほこりは溜まり放題で、「これでデスクワークできるのか」と思わせるほどの荒れ放題――。こんな光景に出くわす人はいないだろうか。
「整理整頓している人は仕事バリバリタイプ、机が汚い人は困ったちゃん」のイメージが一般的だろうが、業務内容によっては逆に散らかし放題の方が向いている、との意見もある。
「非効率、けじめがない、不衛生」と散々な批判だが
机の整理ができていない人は、ネット上でも概して評判が悪い。「交際相手にしたくない」「どうせ家も汚いでしょ」といった具合だ。社会人の振る舞いとしても疑問符がつく。
「ダイヤモンドオンライン」2013年6月12日の記事では、美的収納プランナーの草間雅子さんが散らかった机の写真を見た印象として、「非効率、不親切、けじめがない、危険、不衛生」とバッサリ切り捨てている。
特に仕事の面で、「探し物に時間がかかる。作業スペースが狭すぎる。時間当たりの生産性が落ちる」と非効率性のマイナス面を挙げている。
逆に「机がきれい、イコール仕事ができる」という図式は、ビジネス誌でもよく取り上げられるテーマだ。日経ウーマンオンライン2011年8月29日付の記事では医学博士の米山公啓さんが「余計な情報がない机、つまり物が少ない机は、仕事への集中力や処理能力も上がります」とコメント。
さらに「整理するだけで物を捨てられない人は、決断力がない可能性があります。逆に捨てる習慣を持つことで、決断力を養えます」と整理整頓術を解説していた。
巷では、部屋を片付けたら「会いたいと思っていた人から、なぜか連絡がくるようになりました」なんて書いた本がベストセラーにもなっている。
どうにも分が悪い「散らかし派」だが、これを擁護する説もある。ドイツの健康情報サイト「NetDoktor.de」は、職場の机が整理整頓できている人の場合は、その状態を保つことでより健全に業務を続けられる一方、できていない人には既存の概念の枠を破って新しい発想や発明につながりやすいという米ミネソタ大学の研究結果を報じた。