男性部下に「女性上司への先入観」はないか
もちろん、これまでもすぐ感情的になる男性上司も少なくなかった。パワハラやセクハラで部下を休職や退職に追い込む「クラッシャー上司」の問題が指摘されて久しい。
ただ、男性社会の中で頭角を現した女性の中には、男性以上にモーレツな働き方をする人も多い。そこに女性ならではの感情的な細やかさが逆に作用すると、「いつまでも根に持つ」「説教がネチネチとしつこい」などと言われるのかもしれない。
女性上司に同情的な意見もある。キャリアアドバイザーの細井智彦氏は2012.03.26付け「日刊SPA!」で、職場のトラブルは「女性上司に対して男性が持つ先入観も原因」と指摘している。上司が女性であることに対して部下の固定観念が凝り固まっていると、少し怒られただけで「女性だから」と突っぱねてしまうというのだ。
現代は「男性優位社会」で発展してきた日本を、一部軌道修正しようとしている過渡期と言えるだろう。なかば無理やり出世させられた女性だって、男性上司以上に不安を抱えているに違いない。
男性の部下も細井氏の指摘のように先入観を捨て、盛り立てていく必要があるのではないだろうか。嫉妬まじりに女性上司の足を引っ張るのではなく、ときには男性上司に対して行うのと同じ程度に性格や好みを把握して、ときにはおだてやゴマスリだって必要なのかもしれない。