「海外就職研究家」などという訳の分からない仕事をしていても、職業病というものがあります。例えば海外の日系のお店に行くと、店員の数を数え、日本人が何人くらいいるかを確認してしまいます。特に日本料理屋ではかなり重要です。
中南米のような日本料理屋が少ない場所で、店員に日本人がいない(料理をしているのが中国人or韓国人or現地人)の場合は、かなりの高確率でとんでもないものが出てきます。スパゲティにソースを絡めた「ヤキソバ」、ご飯の上にトンカツを乗せてコーラをかけた「カツドン」など、アメージングな日本食に当たったことも多々あります。
東南アジアのように日本人が多く、日本食の知識が多い現地人が多い国では、ここまで酷いことはほとんどありませんが、やはり日本人が料理をしているかは重要です。
「日本人がいないとダメ」なケースが減るのかも
勤務時間中に売り物のカラオケセットで熱唱中。 これもフィリピン・クオリティ
先日刊行した小説「セカ就!」(朝日出版社)の中に、登場人物がシンガポールのショッピングモールでお好み焼きを食べるシーンを書きました。しかし2013年8月末現在、このお好み焼き屋のモデルとなった店は撤退してしまったそうです。
現地の方の話を聞くと、「昔は美味しかったのだが、日本人スタッフがいなくなった頃から味が落ちたので、それが原因では」とのことでした。
このような話は、インドネシア在住の人からも、マレーシア在住の人からもよく聞きます。やはり日本のクオリティを保つためには、日本人スタッフが必要。「日本人プレミアム万歳!」ということになります。
しかし、先日フィリピンのマニラで食べたお好み焼きは、そんな思いを揺らがせてくれました。現地在住の方のお勧めの店に入ると、数名のフィリピン人スタッフが器用にお好み焼きを焼いています。
豚玉とモダン焼きを頼んで待つこと数分。出てきたお好み焼きはふっくらと焼き上がり、ソースと青のりが香ばしく……などと美味しんぼ的評論をする技量はないのですが、私には十二分に美味しく、日本にあっても行きたいと思うような味に思えました。
値段も約500円と、現地食からすれば高いですが、日本の値段を考えると安いです。