現状の評価制度は「お手盛り」「学長独断」
組織においてやる気のない「ぶら下がり」構成員が大量に生まれる理由は、目標達成意欲の欠如にあり、その根本原因は評価制度にあるのがほとんどです。
この観点からM氏に聞いてみると、年1回の評価制度はあるものの明確な評価基準がなく、おこなわれるのは御手盛りの目標設定とアバウトな実績報告、それを元にした学長独断の昇格人事のみ。降格はなく、不祥事でも起こさない限りクビになることもない。
一度教授になってしまえば、適当に過ごしていても定年まで安泰の生活が確保できるという、よく言えば平和な、悪く言えば能天気な評価環境であるのです。
高度成長期ならまだしも、たとえ医大であろうともこれではいつおかしくなっても不思議ではなく、M氏がわが身を犠牲にしてもやる気のない者を排除しようとしている危機感には十分うなずけるところでした。
その場で私が申し上げたのは3点。まずはM氏の思いがどうであろうとも、相手が上司の強い命令に精神的苦痛を感じて体調不調を訴えている限り、パワハラの訴えには勝てないので、個人的独断に基づく強引なやり方は改めるべきということです。