始業前の「ラジオ体操」 「朝型生活への転換」に効果あり?

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   ニコニコ動画などを運営するドワンゴが、この9月から毎朝オフィスでラジオ体操を始めるという。朝10時30分の開始時間に参加するモチベーションを上げるため、ジャージ姿の「女子マネージャー」も一緒に参加する。

   参加者は、通常数百円で販売されている弁当の「少しグレードアップ」したものを無料でもらえる。月間皆勤賞も検討されているようだ。

昼間の「覚醒」が高まれば夜は自然と眠くなる

「職場のラジオ体操」の光景は復活するのか?
「職場のラジオ体操」の光景は復活するのか?

   朝体操をすることに、どんな意味があるのか――。ドワンゴでは「明確な出社時間が決まっていないエンジニアにラジオ体操に参加してもらい、朝型の健康的な生活を支援すること」をねらっているようだ。

   エンジニアの多くは、他人から干渉されない夜の時間に集中して仕事をすることを望んでいるといわれている。果たして「朝型」への転換を促すこのような施策がよい効果を表すかどうか注目したい。

   「朝体操」の効果について、NPO法人全国ラジオ体操連盟がウェブサイトで解説している。ひとつは覚醒効果だ。朝起きてじっとしたままの状態で過ごすと、「覚醒するまで3時間前後かかる」。かといって起き抜けにいきなり激しい運動をしては体に負担がかかる。一番適しているのが、軽い体操だという。

   始業前のラジオ体操は、仕事に取り組む準備としてちょうどいいというわけだ。5分程度で頭をスッキリさせられるのなら、確かに悪くない方法だ。日中の覚醒度合いが高まれば、夜は自然と眠くなり、朝型への転換も期待できる。

   しかし、現在ラジオ体操を行う職場は少数派だ。製造業や地方公共団体など規律を重んじる職場が代表的だが、職場によっては「午後3時に音楽は流れるけど、やってるのはオジサンだけ」(ある税務署職員)という状況もあるという。

「ラジオ体操優良団体」の表彰は57年も継続中

   一方で、職場におけるラジオ体操を盛り上げていこうという動きは、いまだにあるようだ。かんぽ生命はラジオ体操の普及奨励に寄与し、功績の著しい団体や個人を対象に、毎年「ラジオ体操優良団体」表彰をしている。1956年から57年間も続いている賞だ。

   2013年度に全国表彰を受賞した団体のうち、企業は千葉県の弘報社印刷、長野県の東京精電上田工場、愛媛県の日本興運など6社。沖縄県の中城村役場もリストにあった。「地方表彰」「府県等表彰」を加えると、その数はさらに増える。

   全国表彰の場合、その基準は「ラジオ体操を始めてから満10年以上継続」「毎回30人以上参加者のある団体」「年間の実施日数が200日以上ある団体」など。筋金入りでないと賞には届かなさそうだ。

   2012年3月8日の「発言小町」には、「ラジオ体操やってる会社ってどれくらいありますか」との質問が寄せられた。首都圏に勤務するという投稿者からは「みんな気だるそうにやっていますが、結構いいもんです」と回答している。ラジオ体操の復活はあるだろうか?

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