最終的には復活しないかもしれないが
――と、一時は良い方向に向かったのですが、所詮ロートル会社の改革には限界があり、そこに将来ある息子を巻き込むのもかわいそうだと、今年の夏に再度話し合いを持ったそうです。
そして「会社を数年持たせること」は社長の役目、ご子息は「自分が将来にわたって食べていける新ビジネスを作れ」ということで動き出しました。
最終的に会社が復活するかどうかは、分かりません。それでも創業者と後継者が自分たちだけで勝手に判断すれば、すべてのステークホルダーにとって後味の悪いものになったに違いありません。
大事な従業員を巻き込んで相談することで、「会社の延命だけを考える社長」と「会社を安楽死させることを望む後継者」が反目せずに新たな方向に向かうことができたとすれば、喜ばしいことではないでしょうか。(大関暁夫)