渡邉氏も柳井氏も「子どもは息子だけ」の偶然
それまでチャリティーを持ちかけられて断っていたゲイツ会長が、第1子となる娘の誕生の1年後、態度を急変させて慈善団体を設立。3年後には全米で第3位の慈善家に名を連ねたという。
子どもの誕生が親の性格に影響を与えるというのは、ありえないことではないが、それだけで経営者の「気前のよさ」を判断するのは危険すぎる。とはいえ、やはり日本の経営者で当てはめてしまいたくなるのが人情だ。
ゲイツ会長の友人でもあるソフトバンクの孫正義社長も、東日本大震災では復興支援として100億円を寄付した。孫社長には娘がいる。被災者に寄り添うような気持ちが生まれたのも、その存在の影響が何かしらあったのだろうか。
一方、最近「ブラック企業疑惑」を突き付けられて何かと批判の的となっているワタミ元会長の渡邉美樹氏には、息子がふたりいるが、娘はいない。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も、息子ふたりだ。偶然とはいえ興味深い。
当然、この傾向に当てはまらない人も、すぐに思いつく。米アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏には娘がいたが、伝記には社員をどなり散らしたり無理難題を押し付けたりといった、とても従業員への思いやりに満ちた姿とはいえないトンデモ社長ぶりが明かされていた。あなたの会社の経営者は、どうだろうか。