「ブラック企業ならすぐ辞めよう」という動きも
求職者のストレス耐性を探る試みは、これまでも行われてきた。そのひとつが「圧迫面接」である。ビジネスの世界では、時には上司や顧客から厳しく叱責されることもあるが、それを想定して面接時にわざといじわるな質問をしたり、厳しい言葉を投げかけたりして相手がどう切り返すかを試すわけだ。
だが、圧迫面接により対人恐怖症に陥る人もおり、年々増加する「就活うつ」のきっかけになっているという批判もあり、実施に慎重になる会社も増えた。
2013年3月3日付のフジサンケイビジネスアイ電子版では、圧迫面接を乗り越えて内定を勝ち取ったものの「あんなひどい対応をされてまで行きたくない」と辞退者が出る可能性を指摘している。適性検査なら、こうした「誤解」は避けられるかもしれない。
ただ、ストレス耐性が高いと判断された人に与えられる仕事を想像すると、点数が高ければいいというわけでもない気もする。「こいつは高得点者だから炎上案件に突っ込んでやれ」ということになりかねないからだ。
インターネット掲示板には、2013年4月入社の新入社員で「すでに会社を辞めたい」という書き込みが並んでいる。
「人間関係が最悪過ぎる。会社行きたくない」
「こんな会社の為に地元離れたと思うとバカらしくて泣けてくる」
「ずる休みしたわ。陰口叩かれても知ったことじゃない」
なかには「3か月で辞めた」、さらには「入社初日で辞めた」というツワモノまで。ただ、違法な労働条件を強いるブラック企業が問題になる中で「おかしな会社に洗脳される前に辞めよう」という価値観も浸透しつつある。必ずしも「ゆとりの若者」だけが悪いとも言い切れない面もあるのではないか。