「ポジショニング」が必要なのは「働く個人」も同じだ

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   昨今の日本はモノであふれていて、「これ欲しい」と思えるような魅力的な製品はなかなかありません。どれを取っても大して違いがあるようには見えないからです。

   ただ、そんなモノが溢れる時代でも「違いがある」と思わせる製品はゼロではありません。驚くような低価格を誇る飲食店だとか、個性的なデザインを持つ日用品は、とがった特徴が存在感となって指名されています。

無難な存在はスルーされるだけ

自分で極めるべき「とがり」はどこか
自分で極めるべき「とがり」はどこか

   もちろん、とがった分だけ「これ嫌い!」と思う人も現れるでしょう。とはいえ、とがっていない存在は「好きでも嫌いでもない」とスルーされるだけ。嫌われることを恐れて無難なモデルしか投入できない会社は、生き残ることができません。

   これは個人においても同じことが言えます。「この分野は、あの人に任せたい」と思われるポジションが取れれば、仕事に困ることはありません。

   マーケティング用語で、相手の中に自社製品の特徴を位置づけ、独自の差別化イメージを作ることを「ポジショニング」と言いますが、それを個人にも適用するのです。

   そのときに必要なのは、先ほども書いた「とがった部分」になります。ただ難しいのは、とがった部分を嫌う人も出てくること。そうすると、周囲にうまく認めてもらうためのプロモーションも必要になってきます。

   以前面談したコンサルティングのAさんは、自分では「とがった部分なんてない」と言っていました。職場の評判も「仕事が遅い」「クライアントの現場の意見に振り回されすぎ」というもので、Aさん自身もその点を改善課題と考えていたようでした。

   しかし、過去の仕事を掘り下げていくと、クライアントから「我が社のことをよく理解しているね」と称賛されたことが一度や二度ではないことが分かりました。彼には「現場の声にとことん耳を傾ける」という「とがり」があったのです。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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