雑用ばかりやらせていたら「追い出し部屋だ!」と言われました

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臨床心理士・尾崎健一の視点
貢献に対する敬意を「再就職支援」という形で表す

   海外では業務と雇用契約がリンクしているので、所定の業務がなくなれば雇用もなくなることが多いです。一方で日本では業務が限定された雇用契約は少なく、社内で異動先を探す必要があります。それでも別の業務が見つからずに雇用継続が難しくなる会社もあり、いずれ退職してもらうのも選択肢のひとつとなります。しかし、社員をいきなり路頭に迷わせるのも忍びないですし、恨みを買うリスクもあります。そこで15年間の貢献に対する敬意を「再就職支援」という形で表してはどうかと思います。

   まずは、任せる仕事がなくなった理由についてAさんが納得できる形で示したうえで、退職金の上乗せをすることが考えられます。退職金制度がない場合には、特例で支給する場合もあるでしょう。そのうえで再就職先を探す支援をします。就職先とのマッチングを会社が費用負担して外部業者に委託するやり方もありますし、再就職活動中の一定期間の給与を保証するという方法もあります。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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