企業に求められる「ブラックなおバカバイト」を前提とした備え

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店舗に関する損害保険に加入しておくことも

   店舗に関する損害保険に加入しておくことも考えられるが、まずは会社側でマニュアル整備や入職時研修などをおこなうことが大前提だ。何もやってなければ、事故責任は会社が負うことになってしまう。

   また、いざという時の対応スピードと内容に、企業の姿勢は現れるし、それによって顧客の印象も大きく変わるものだ。事後対応のスタンスとしては、次のような点が基本になる。

1.事実をフルオープンにすること
情報の出し惜しみは新たな疑惑を生み、後で発覚したときに騒ぎが大きくなる
2.謝罪すべきところは謝罪すること
責任逃れをすれば、イメージダウンは避けられない
3.会社の落ち度でない点は毅然とすること
ペコペコ謝っていると、つけこまれてしまう側面もある
4.今後の対応について明確に説明すること
「じゃあこれからどうするんだ」という疑問を封じる答えを準備する

   この点、最初に起きたローソンの対処は素早く徹底していた。「当該店の他の従業員への再教育」を実施した上で、当該店との「FC契約解除」「当該店舗休業」に進み、別のFCオーナーと再契約という流れだ。その後、「同社全社員及び全国加盟店に対して指導」を再度徹底しており、この対応は納得感をもって受け入れられている。

   まあ、これだけ騒ぎになったのだから、まさかマネをする人はいないだろう…と思っていたら何人もの「模倣犯」を生んでしまったのだから、油断は禁物だ。(新田龍)

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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