いま企業は、どんな人材を採用したいと考えているのか――。それが垣間見られるアンケート結果が、2013年8月6日に発表された。
「新卒紹介・新卒採用アウトソーシングナビ」を運営するDYMが企業の人事担当者300人から回答を得た調査によると、14年3月の大卒者世代の有名人で「採用したい」の1位は、プロゴルファーの石川遼選手で43.3%だった。
「素直さ」と「やる気」のアピールがポイントに
石川選手は、博報堂DYメディアパートナーズが12年4月に発表した「アスリートイメージ評価調査」でも総合4位。インタビューにていねいに対応する姿勢がメディアを通して伝えられ、好感度につながっているのかもしれない。
2位がプロ野球、埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手の24.7%。今シーズンは才能が開花して2ケタ勝利目前だ。同じ調査で、今年入社の新人に対する評価ポイントは「素直」が52%、「やる気がある」が37.7%となっている。東北出身の実直そうな風貌が評価されたのか。
3位のAKB48・高橋みなみさんは24%を獲得し、女性では首位だ。こちらはいかにも「やる気」顔。高橋さんは明治安田生命保険の新入社員アンケートで「理想の上司ランキング」でも女性8位にランクインしている。
一方の「部下にしたくない有名人」の不名誉な1位には、亀田三兄弟の三男、プロボクサーの亀田和毅(ともき)選手があがった。
理由は推測するしかないが、本人の態度というより、かつて父や兄が対戦相手を激しく挑発したり、試合中に反則行為を働いたりして世間からバッシングを受けており、それがいまだに尾を引いているのかもしれない。
2位はAKB48の板野友美さん。同じAKBの高橋さんと正反対の評価を受ける結果となったのは、なぜなのだろうか。
ともちん「やる気ない」は誤解なのでは
AKB48に詳しい記者に聞くと、高橋さんの順位は納得できるという。ファンの間では、若いメンバーを指導するリーダーシップに加えて、自らひたむきに努力する姿勢が評判だからだ。この点が、上司としても部下としても「一緒に仕事をしたい」と思わせる理由かもしれない。
一方の板野さんは「見た目がかなり影響しているのではないでしょうか」。独特の「ギャルっぽい」外見から、「ふまじめそう」「いつもだるそうにしている」というネガティブな印象を与えている可能性がある、というわけだ。
卒業前最後となるAKB総選挙でも「5回も総選挙やってますけど、総選挙ずっと嫌いでした」とファンの前でコメントするなど、「素直さ」や「やる気」と逆の印象を与える言動が多い。
テレビ番組で、お笑い芸人の「キンタロー。」さんと共演した際、板野さんひとりが無視を決め込む演出が施され視聴者の誤解を招いた。この騒動が、もしかしたらマイナスイメージを増幅させたかもしれないと記者は指摘する。
3位は俳優の早乙女太一さん。「流し目王子」と呼ばれる大衆演劇の人気女形だ。「チャラい」「ヤンキーっぽい」「扱いにくい」という印象を与えそうという点は、板野さんに似ているかもしれない。
とはいえ、初挑戦で世界王者に上り詰めた亀田選手、国民的アイドルの中心メンバーであり続ける板野さん、若くして自ら劇団を率いる早乙女さん、いずれも「やる気がない」とは思えないのだが…。