「同じ副部長で年俸100万も違うなんて」 抗議の社員に社長が激高

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ワンマン社長のプライドを傷つけずに解決するには

   社長の怒りは尋常ではない感じですが、旧知の私に電話をしてきたということは、成績優秀で営業の核となるCさんを辞めさせたくないのだなと思いました。

   しかし気性の荒いワンマンなオーナー社長のことです。自分から折れずに済ませたいと思っているわけですが、プライドを傷つけずに事を運ぶのは実に厄介な問題です。そこで私がアドバイスしたのは次の3点です。

(1)社長からは直接Cさんを叱責せず、彼の上司であるE部長に一部始終の話をして、E部長から社長の考えを説明した上、意見として「社長にお詫びに行け」と指示させる
(2)社長からはCさんへ「他の社員の年俸に文句を言うのは経営批判であり、絶対にしてはいけないことだから怒ったのだ」と怒りの理由を明確に説明する
(3)あわせて社長から「Dさんは人脈を使って有益な情報を集めているから高評価なのであり、Cさんもそういう点での実績を上げれば年俸の見直しに値する」と伝える

   ワンマン社長は感情的になった時ほど、説明が不足して怒りの言いっぱなしになりやすいものです。プライドが邪魔をして事後修復ができずに、大きな戦力を失うことがよくありますが、それは避けたいところです。

   その後、社長から電話があり、「さっきCが僕のところに詫びに来た。今日はお互い感情的にならずにうまく話ができたよ」と満足そうに話していました。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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