「このバッテラ、ワラっといて」と言われたら
普段は身内しか意味の分からない隠語だが、最近では企業自ら業界用語をウェブサイトで説明している例もある。
文化放送のサイトの「ラジオ業界用語」によると、「アナ尻」とは「CMや時報の前までにトークを締めるデッド時間」、「ステブレ」とはステーション・ブレイクの略で「放送の一休み」のこと。「雨傘番組」とは「野球中継において雨天中止となった場合に放送する番組」など興味深い。
撮影業者のサイトには、「ちょっとこのバッテラ、ウルサイからワラっといて」とは、「このバッテリーライトはもう使わないから邪魔だし片づけておいて」の意味だと解説されている。「わらう」とは「片付ける」のこと。ワハハと笑って叱られた新人もいるに違いない。
東京管工機材商業協同組合は、新人が仕事に慣れるための「辞書にない業界用語集」をつくった。 器具類を傷付けずに締め付けたり緩めたりするスパナの1種である「イギリス」、洗浄管バンドは「デンデン」、両端にねじ山がないガス管は「坊主管」――。確かに先輩から「おい、イギリス持ってきて」と指示されてちんぷんかんぷんでは仕事にならない。
業界は違えど、無意識のうちにこうした用語がスラスラ出てくるようになれば、立派な「ギョーカイ人」に成長した証拠か。