「ノマド」は世の流れ 変わるサバイバル戦略

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いくつもあるレールを乗り換えできる人が生き残る

   このように捉えると、世の中がノマド化する、ノマドの時代というのが少し理解できます。堅く固定され、ひもづけられていたから、多くのものが自由になり行き来する時代になるのです。たとえば次のような変化は、この流れを象徴するものです。

・情報:個々の装置から⇒ネットワーク上へ
・お金:国内で完結する通貨制度⇒世界の金融システムが複雑に絡み合う時代に
・働き方:終身雇用⇒転職、フリーランス、独立
・住む場所:生まれた場所で一生暮らす⇒海外移住、国籍すら変更する人も
・生き方:一つのことをする、一つの職業⇒複業、ギャップイヤー

   このような時代に、どうやって私たちは生きていくべきなのでしょうか。時代がどんどん流動的になり固定的なものが100年続くようなことがなくなり、お互いにつながりネットワーク化していく中で、個人の生き方、サバイバルの仕方も変わってきています。

   「いい大学をでて、大企業に勤め、結婚して家を買って、定年後は年金で暮らす」みたいな決まったレールそのものが固定的なものです。

   ノマド時代では、このような固定的なレールから自由になったり、いくつもあるレール同士を自由に乗り換えたりできる「ノマド」が生き残るのです。連載でこれまで書いてきた「オープン」「出戻り」「屋台ビジネス」「海外就職」といった例も、ノマド時代のサバイバル戦略として考えられるものです。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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