いくつもあるレールを乗り換えできる人が生き残る
このように捉えると、世の中がノマド化する、ノマドの時代というのが少し理解できます。堅く固定され、ひもづけられていたから、多くのものが自由になり行き来する時代になるのです。たとえば次のような変化は、この流れを象徴するものです。
・情報:個々の装置から⇒ネットワーク上へ
・お金:国内で完結する通貨制度⇒世界の金融システムが複雑に絡み合う時代に
・働き方:終身雇用⇒転職、フリーランス、独立
・住む場所:生まれた場所で一生暮らす⇒海外移住、国籍すら変更する人も
・生き方:一つのことをする、一つの職業⇒複業、ギャップイヤー
このような時代に、どうやって私たちは生きていくべきなのでしょうか。時代がどんどん流動的になり固定的なものが100年続くようなことがなくなり、お互いにつながりネットワーク化していく中で、個人の生き方、サバイバルの仕方も変わってきています。
「いい大学をでて、大企業に勤め、結婚して家を買って、定年後は年金で暮らす」みたいな決まったレールそのものが固定的なものです。
ノマド時代では、このような固定的なレールから自由になったり、いくつもあるレール同士を自由に乗り換えたりできる「ノマド」が生き残るのです。連載でこれまで書いてきた「オープン」「出戻り」「屋台ビジネス」「海外就職」といった例も、ノマド時代のサバイバル戦略として考えられるものです。(大石哲之)