「テレワーク」導入企業を3倍へ でもメリットばかりじゃない?

意外と重要になる「文章力」

   「テレワーク先進国」の米国では、2008年の時点で導入率が42%に達している。J-CAST会社ウォッチの取材に応じた在米の日本人女性経営者も、自社でテレワークを採用しているという。

   通勤の手間が省け、子育て中の女性でも仕事に支障がない。ただし複数メンバーが時間と場所をバラバラに働くので、チーム全体の動きが把握できるようなスケジュール管理が重要だという。

   勤務時間と終業後の公私の切り分けも意識している。顔を合わせないテレワークでは、ネット上での密なコミュニケーションが生命線。就業中は「メールを頻繁にチェックし、丁寧に連絡し合う」ことを求める。ただし業務が終われば、「社員は業務メールを見る必要はない」とキッパリ。仕事から離れた社員が「完全オフ」となれるよう徹底していると明かす。

   意外と重要になるのが「文章力」。メールでの意思疎通を的確に行う能力につながる。相手の事情に配慮しないメールを送りつけるメンバーは頭痛の種だ。プロジェクト全体への目配りも大事なので、「経験の浅い新人にはテレワークは難しい」と女性経営者は考える。

   米国ではスターバックスが、遠方在住の社員に週1日程度、在宅勤務を認めている一方で、米ヤフーのように在宅勤務を禁止したケースもある。テレワークに対する会社側の考え方やスタンスは、米国でも一律ではない。日本でも政府の掛け声に乗るだけでなく、各職場での取り組み方を個別に考える必要があるだろう。

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