過熱する「男性のキレイ化」にはらむ危険 精神障害の原因にも

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自身の衰えに向き合うことが「円熟期の男性」に必要

   身体醜形障害が起きるきっかけを、ひとまとめに語るのは難しい。ふと鏡を覗いた際にわずかな見た目の変化が気になり、徐々に不安になるパターンや、「最近、髪の毛薄くなったんじゃない?」という友人の何気ない一言がなぜか頭に残り、日に日に増大する場合などさまざまだ。

   また、自分では見た目を過剰に気にしている意識はないが、周囲の人がその様子を心配して発覚することもある。たとえばプレゼンで以前より露骨に緊張するようになったり、大事な商談の直前に身だしなみばかりを気にして時間に遅れてしまったり。これらは潜在的な見た目への強い意識が、本人の気付かぬうちに「支障」へとつながっている。

「薄毛を理由にクリニックを訪れる人の中にも、“気にしすぎているだけ”の人は少なくありません。見た目への不安が原因でビジネスや日常生活にトラブルが頻発するようであれば、抗不安薬 などを投与します。そこまで重度でない場合でも精神的なケアを行い、考え方やものの見方を変化させていくようなアプローチを行っています」(小林院長)

   持って生まれた性格が発症要因であるため、身体醜形障害を防ぐ手立てはそう簡単ではない。とはいえ見た目への過剰な意識が精神疾患につながる可能性を覚えておくだけでも損はない。大切なのは外見に表れる自身の衰えを予測し、いかに客観的に向き合うか。 それが円熟期へと向かう男性の見た目意識におけるカギといえそうだ。

小林一広(こばやし・かずひろ)
医療法人社団 城西クリニック院長 NPO法人 F.M.L.理事
1962年生まれ。北里大学医学部卒業後、同大学病院にてメンタルヘルスケアを中心とする医療に従事。
身体疾患と精神面との関わりについて皮膚科、形成外科、薬学博士等の各専門家と一緒に研究を重ね、城西クリニック(東京:新宿)を開院。現在では、「髪の悩みの駆け込み寺」として月間5,900名が来院している。
また、精神科医として心身両面からの頭髪治療に力を注ぎ、国内では唯一、「頭髪」と「心」をケアする『リエゾン治療』を頭髪医療に導入し、「ミタメ」と「ココロ」両方からアプローチする独自の治療を展開。「髪の先」から「心の中」までケアをしている。
城西クリニック

脇坂長興(わきさか・ながおき)
医療法人 脇坂クリニック大阪院長 医学博士 日本形成外科学会専門医。NPO法人 F.M.L.理事
1962年生まれ。聖マリアンナ大学形成外科学講師を経て、2000年10月、関西で唯一の頭髪治療を専門とした脇坂ナカツクリニック(現 脇坂クリニック大阪 「大阪:梅田」)を開院。月に3,700名以上が来院し、その多くは20代~40代。新規相談者も毎月200名に上る。薄毛治療のパイオニアとして、西日本最大の臨床数・改善事例を誇る。治療法にこだわることなく、患者様が笑顔になれる治療を提供することが形成外科医の使命であると考え、日々患者に接している。
脇坂クリニック大阪
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