「たかが英語」と肩の荷を降ろし、できる仕事を増やす
そんな問題を解決する選択肢のひとつが「セカ就」です。香港やシンガポールの英語が公用語の国での仕事なら国籍なんて関係ない。日本のような細かすぎる慣習なんて気にしている余裕もありません。
ただし、香港やシンガポールではハイレベルな仕事が求められ、卒業してすぐの人が得られる仕事はほとんどないのも現実です。
そこで、一度肩の荷を降ろしてみましょう。「たかが英語。たかが学位」。
英語なんてアメリカでは中学生でも喋れますし、学位だったら会社のおじさんだって持っています。そこに固執しても事態は好転しません。それよりも、仕事をする上で自分に足りないものが何なのかを探し、自分にできることでそれを補うのです。
おじさんが英語のメールで困っていたら、進んで手伝ってあげましょう。外国人からの電話かかってきたら、積極的に取ってあげましょう。そうやって部署の人たちに少しずつ貸しを作るのです。
一方、あなたの足りないものは部署のメンバーたちが持っています。彼らが作った資料を読み、分からないことを教えてもらいましょう。資料にはメンバーのプライドがこもっています。その道のプロをリスペクトし、真摯に教えを請う若者を邪険に扱う人はいません。むしろ喜んで教えてもらえます。
そうやって身につけたスキルと、アメリカで身につけた英語力などのスキルをもってセカ就すれば、きっと面白い仕事に就けます。
他人をバカにしても何も始まりません。自分より優れたところを見極め、その部分を吸収し、自分を成長させる。そうやって成長していくことで、自分の選択肢が増え、自分を活かせる仕事ができるようになるのです。(森山たつを)
※新刊「セカ就! 世界で働くという選択肢」(朝日出版社刊)では、世界で働く人たちの実態をリアルな小説としてまとめました。第二章は海外留学後、アメリカで仕事が見つけられず、地元スーパーで派遣社員をしている女性のお話です。興味のある方はご一読いただけたらと思います。