「早死にする職業ランキング」という何とも物騒なモノを、週刊誌「SPA!」電子版が2013年7月16日に発表した。
一見すると必ずしも典型的な3K職場ではなく、世間で華やかと認識され合コンでもモテそうな業界もランクインしている。事故と隣り合わせでない仕事なのに「短命」となるのはなぜか。
業務における「裁量権の少なさ」がストレスを高める
事故以外で職業が寿命を縮める要因について、SPA!では産業医・榛原藤夫氏のコメントを引用して説明している。
1点目は「裁量権の有無」。自分で業務をコントロールできるほどストレスが少なくなる。2点目は「過重労働・暴飲暴食」だ。すなわち裁量権が少なく、長時間残業が続き、生活が不規則となって大量にアルコールを飲むような職業人は、命を縮めてしまうのだ。
これに当てはまるワースト1位には、「大手広告代理店の営業」が選ばれた。2位以下は「IT企業の下請けSE」「チェーン飲食店店長」「若手官僚」「病棟勤務の看護師」と続く。官僚といえども、若手のうちは裁量が小さいようだ。
インターネット掲示板では、ランキングに議論が起きている。「広告代理店の仕事は大変なんだぞーって言いたいだけ」と冷ややかな意見もあるが、「ここの会社に勤めている人たちに聞いたけど、本当みたい。無事に定年退職をしても、年金をもらえるまで生きていないって」と納得する人もいる。
ネットの質問投稿サイトでも、たびたび「広告代理店は激務か」に関するやり取りがある。「10年間営業職だった」という回答者は経験談として、連日深夜残業でタクシー帰りが続いた時期もあったが、仕事が落ち着けば友人と飲みに行けたし、夏休みも取っていたと明かしている。
一方で、精神的に病んでしまった経験もあり、同期や後輩の何人もが同様に苦しんでいたそうだ。ほかにも、新卒後3年間営業で都内広告代理店に勤務していた男性は「激務の末、精神疾患を患い田舎に一旦引き上げ療養」し、復帰を目指していると書いている。