剰余金はボーナスで分配? いや「社員旅行」に使う手もあるぞ

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意外な社員の反応、参加率は「ほぼ100%」

   社長の一喝で会議が終了した後、その場に残った部長たちは社長のプランに批判的な意見を口々に言っていたそうです。

「いまどき社員旅行なんて流行らないよ。なんでフィリピン?」
「若い奴らは半分も参加しないで、企画倒れになりそうだね」
「むしろ疲れだけ残って、行かなきゃよかった、となるんじゃないの」

   結局、旅行の全行程のプランニングは、仕事でたびたび現地入りしている社長自ら日程を組み、社員を3班に分けてその全行程に社長が同行するという力の入り様でした。

   そこで参加者を募ったところ、部長たちの予想を大きく裏切る結果が出ました。特別な事情がある者以外は皆参加という、ほぼ100%に近い参加率になったのです。Sさんが参加意思確認をしたとき、若手社員はこう答えたそうです。

「たぶん一生に一度のチャンスと思うから、行ってみたい」
「自分のおカネじゃ、フィリピンまでなかなか行かないもんね」
「団体旅行なんて修学旅行以来だし、企画も楽しそう」

   いずれも予想外の答えばかりで、認識不足を痛感することになりました。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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