エリートが「ハニートラップ」の餌食に
最近でも2010年10月、広東省広州で日本からの出張者7人が買春容疑で逮捕されたと、同年11月12日号の「週刊ポスト」が伝えていた。「世界的に名の通った」日本企業の社員で、夜に日本人向けカラオケスナックに繰り出した後の出来事だという。
記事では、カラオケスナックの実態は「売春斡旋所に近い」とし、「広州では、日本語ができるホステスも多く、総額で2万円前後かかるものの出張族の人気は高い」と解説。宿泊先のホテルにホステスを連れ込んで、性行為に及ぼうとしたその時に中国の公安が突入してきたという。これでは弁解の余地はない。
さらに中国では、買春行為が国家機密の漏えいにつながったと疑われるケースも発生している。2004年、在上海日本総領事館の男性職員が自殺したが、中国当局から情報提供を強要された疑いがあり、それを苦にした様子が遺書につづられていたそうだ。
この時は上海のカラオケ店で親密になった女性が、中国当局のスパイだった可能性が指摘された。さらに2006年には、海上自衛隊の自衛官が内部機密を持ち出していた事実が発覚。実はこの領事館職員と同じカラオケ店に通ってホステスと深い関係になっていたのではないかと言われている。
買春自体が許されない行為だが、それが「ハニートラップ」で、まんまと引っ掛かって日本の国益を脅かすようなら、それこそ二重の罪だ。