参院選が公示され、選挙戦が幕を開けた。「アベノミクス」で日本経済は回復基調とされるが、「景気回復」と「雇用」は企業の採用人数に影響を与えるだけに、就活生にとっても注目の争点だろう。
そんななか、採用情報提供や人材紹介を手掛けるディスコが「就活川柳」を発表し、寄せられた全686作品の中から一部を紹介している。
厳しい就活事情、横並びは相変わらず
作品から垣間見られる就活事情は相変わらず厳しく、学生が内定獲得に苦戦する様子が見て取れる。情熱だけではとても望んだ就職先に入れないのが現実だ。
「就職難 国民の義務 果たせない」
「好きだけじゃ ダメだと知った 仕事と恋」
「パンプスの 底を減らして 駒増やす」
「身の丈に あうもの選べ 服と職」「『夢めざせ』 父の本音は 正社員」とは、夢と現実とのギャップが大きくなっている現代ならでは。余計なことを言って失敗したくないとの思いが、
「みんな言う 貴重なお話 ありがとう」
「自社の魅力 皆口そろえ『人』という」
といった無難さを強調する川柳にも垣間見られる。
とはいえ、買い手市場の中でも見事に複数の内定をもらい、どこにしようか迷う人もいないではない。「内定が 出たら出たで また悩む」という川柳を詠んだのは「理系女子」だ。
サラリーマン川柳の方がまだ余裕ある?
ディスコが運営する「キャリアアカデミー」のウェブサイトには、2010年以降に詠まれた就活川柳が紹介されている。大卒予定者の就職率が91.8%まで落ち込んだ年だ。
「いつまでも 決まらぬ私が 悪いのか」
「不景気か 内定無いのが 実力か」
「友人が 俺より先に 決まってく」
と川柳にも焦りや不安、苦悩があらわれている。2011年にさらに厳しくなると、
「祈られる 私は神ではありません」
「面接で 褒められたのに 祈られる」
など、いわゆる「お祈りメール」と呼ばれる不採用通知への嘆き節が増えた。
2012年はやや改善したが、「内定を 出す気ないなら 先に言え」と投げやり調。極めつけは「もうなんか どこでもいいから 内定を」と悲鳴のような胸の内まで聞こえてきた。
「サラリーマン川柳」の場合、世の働くお父さんの悲哀を感じさせながらも、どこかユーモアが感じられる。だが就活川柳は学生たちの必死さ、つらさが全面に押し出されている印象だ。川柳から「明るさ」が漂ってくるのはいつのことか。