「地頭力」試すのは時間の無駄だった グーグル人事責任者、衝撃の告白

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   米グーグルの入社試験は、一風変わった内容で知られていた。「掃除機は年間何台生産されているか」「自分の頭の重さをどうやって計量する」――。そんな突飛な「お題」で、回答者の思考力や応用力、頭の柔軟性を試すとされた。

「さすがはグーグル、ひと味違う」

   巷ではそう高く評価され、真似をする会社もあったが、ここにきてグーグルの人事責任者が米ニューヨークタイムズ(NYT)紙のインタビューで驚きの実情を暴露した。これまでの試験スタイルは、時間の無駄に過ぎなかったと言い切ったのだ。

「質問を解く力」と「業務で発揮できる能力」との関連性が不明

難問奇問では業務遂行能力を測れず
難問奇問では業務遂行能力を測れず
「飛行機の中にゴルフボールをいくつ詰め込めるか、マンハッタンに給油所は何か所あるか。完全に時間の無駄。こんな質問では何の予測もできない」

   NYTの2013年6月19日付インタビューにこう答えたのは、グーグルで人事担当の上級副社長を務めるラズロ・ボック氏。グーグルがこれまで実施してきた採用試験の方法論を真っ向から否定する発言だ。

   さらにグーグルの広報担当者は米ABCニュースの取材に、試験内容を変更すると認めた。入社希望者から不評をかっており、何よりも「この種の質問を解き明かす力と、将来業務で発揮できる能力やIQとの関連性に疑問が生じた」のが大きな理由だと答えた。

   論理パズルやフェルミ推定問題といった「ブレインティーザー」と呼ばれる質問内容は、グーグルだけでなく米マイクロソフトや米ウォルマートといったグローバル企業の採用試験に取り入れられてきた。

「検索トラフィックの季節変動を予測できる方法について述べた俳句を書きなさい」(グーグル)
「ビル・ゲイツの浴室を設計するとしたらどうするか」(マイクロソフト)

   そのユニークな内容は、これまでもネット上をにぎわしてきた。正確な回答をその場で導き出すのは困難だが、入社試験ともなれば手元の材料や知識を総動員して時間内に答えを出さねばならない。

   日本でも数年前、「地頭力を鍛えよう」とこういった質問に答える能力が重視された。雑誌では特集が組まれ、フェルミ推定問題を扱った書籍も出版。ネットから答えを拾ってくる「コピペ全盛」の現代において、考える力を養う大切さを訴えるものとして、大いにもてはやされた。

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