通勤時間に往復3時間以上かけている人の4割は、1日の多くを思い悩みながら過ごし、朝オフィスに向かう時刻が「1日で最悪のとき」と感じる――。英大衆紙デイリーメール電子版「メールオンライン」が2013年6月23日付記事で、このような調査結果を報じた。
ぎゅうぎゅう詰めの通勤電車に揺られる日本のビジネスパーソンとは、少し形が違うかもしれないが、海外でも似たような苦しみを味わっている人がいるようだ。編集部で米国と韓国、シンガポール在住の人たちに事情を聞いてみた。
片道10分未満なら「悩み」28%にとどまる
メールオンラインが紹介したのは、米ギャラップ社による電話調査の結果。米国で勤務する18歳以上の男女17万3581人が回答し、通勤時間は平均23分。大都市圏では時間が長くなり、全体の3%は片道1時間以上かけて通勤しているという。
調査は、通勤時間が心身に与える影響を分析している。片道90分以上かけている人の40%が、何かしらの悩みや心配事を抱えていると答えたのだ。対照的に片道10分未満の人で、悩みのある人は28%にとどまっている。
ほかにも、通勤に長時間かかっている人は「日々を楽しめている」「しっかり休息できている」と答えた割合が低くなった。これだけ材料が揃えば、通勤時間ほど人をゲンナリさせるものはないとの証拠になるだろうか。
米シアトル郊外在住の日本人女性の場合によると、「通勤に片道2時間費やす同僚」は、しばしば「仕事を変えたい」と愚痴をこぼしているそうだ。自宅でくつろぐ時間が大きく削られてしまえば、自然と「仕事がつらい」という思いが募るのも分かる。
米シリコンバレーに駐在する日本人男性は、自宅から車で20分ほどのところにオフィスがある。自分は通勤が大変とは感じないが、「高い家賃を嫌って郊外に住む人が多く、ひどい渋滞に巻き込まれる人もいる」と話す。
渡米前は50分程度かけて通勤していたが、満員電車の混雑や夏場の暑さがつらかった。通勤時間が長いと「幸福度」が減るという調査結果には共感を示し、「通勤にかかる時間を別のことに使えればいい。早く家にも帰れる」という。