タレント、ローラさんのお父さんの出身地として知られているバングラデシュ。でも多くの日本人には、あまり縁のない国だと思います。
この国の人口は約1.5億人と世界で7番目に多く、将来はさらに増えて大きな市場として成長することも期待されています。今回から2回に分けて、このバングラデシュという国がどんな国かをお伝えいたします。
オート三輪や馬車が道を覆いつくすダッカの渋滞
バングラデシュは周囲のほとんどをインドに囲まれ、一部をミャンマーと接しています。東南アジアとインドとの間にある国と言っていいでしょう。
首都ダッカに降り立つと、まるでインドのような風景が目に付きます。道行く人たちの顔もインド系の人がほとんど。東南アジアとは違う地域に入ったということが、街を歩くだけでも実感できます。
インドネシアのジャカルタ、タイのバンコク、メキシコのメキシコシティは「世界最悪渋滞地帯」と呼ばれていますが、ダッカの渋滞もこれに負けず劣らずの凄いところです。
他の都市の渋滞とひと味違うところは、渋滞しているのが自動車だけではないことです。街中でタクシーを捕まえようとしても、我々が思い浮かべるような乗用車型のタクシーはほとんど走っていません。
メインの交通手段は、CNGと呼ばれるオート三輪。運転手とお客さんを檻のような車内に閉じ込めて、真っ黒な煙をまき散らしながら、無数のCNGが走っています。ちなみにCNGとは圧縮天然ガスのことで、オート三輪の燃料になっています。
近距離の移動はリキシャー。漢字で書くと「力車」、つまり人力車です。自転車の後ろに二人くらい座れる客席が付いていて、運転手が一生懸命漕いで目的地に向かいます。
これに加えて、あふれんばかりの人を乗せたバスや、まだまだ現役で活躍する馬車までもが道を覆い尽くし、慢性的な渋滞になっています。
過去の統計から、国民1人当たりのGDPが1000ドルを超えるとバイクが、3000ドルを超えると自動車が普及すると言われています。バングラデシュは2012年で817ドルと言われており、バイク普及以前にこの渋滞なのですから、先が思いやられます。
2030年には人口2億人を超える見通し
またダッカは人口密度が非常に高く、狭い道の周りにはびっちりとビルが建ち並んでいます。道路の拡張もままならず、いかにしてこれからインフラを整えていくかが非常に大きな課題になっています。
しかし、バングラデシュの人口は2030年には2億人を超え、世界第5位となることが予想されており、多くの企業が現在も進出を果たしています。この大きな市場をグローバル企業がみすみす見逃すという選択肢はありません。
日本企業ではユニクロをはじめとする繊維業界や、ホンダをはじめとする二輪メーカーなどが工場を建て始めています。欧米企業も流入していますが、先日発生した縫製工場ビルの崩壊など、安全管理や労働衛生上の問題も行っているのが実態です。
課題は山積ですが、ミャンマーやカンボジアの「次」のフロンティアとして、グローバル企業の注目を集めつつある国なので、アジア経済の動向に興味がある方は是非注目しておくと「とってもいい感じ~」だと思います。じゃあ、バイバーイ♪(森山たつを)