臨床心理士・尾崎健一の視点
経営者は育休制度の意味を理解すべき。社員教育も重要
経営者の理解が不十分なために、社内で育児休業者への風当たりが強いということは、とても恥ずかしいことです。育児はいまや社会的にも一企業の仕事以上に優先順位が高いとすらいえるものです。だからこそ、育児休業という制度が公に認められているということを理解すべきでしょう。自分の短期的な利益しか見えない心の持ち主は、人を雇用して利益をあげる経営者としてふさわしくないと思います。
社長も含め、自分に関係のない制度は十分に理解していない社員も多いものです。野崎さんのコメントにもあるように、育児休業における会社の負担は軽減されつつあります。「あの人の休業コストは、私たちが負担させられている」と誤解していると、育児休業者への反感は高くなります。妊娠、育児に関係ない社員を含め、正しい情報を伝える機会を設けましょう。短期間でも男性にも育児休業を取らせることも、理解者を増やし「やっかみ」を減らす効果があるかもしれません。