「優れた上司なら部下の生活を考えるはず」
日本の場合、あまりにもストレートな物言いは気が引けるかもしれない。だが、
「上司は時に、日々の差し迫る業務に目が向きがち」
「優れた上司なら、部下の生活の質の向上を支援しなければいずれ自分から離れてしまうと分かっている」
という指摘は、どれも日本でも当てはまりそうだ。
もちろん、同僚への気配りは欠かせない。休暇中に自分の業務を代行してくれる相手が誰か、ポイントとなる業務内容は何かをまとめ、上司への報告も済ませる。
一方で、いざ休暇に入ったら仕事関係の電子メールや携帯電話の確認は一切ストップする。「あなたが1、2週間いなくても、会社はつぶれない」からだ。どうしても、という場合には、上司や同僚に「1、2日に1回は(メールを)チェックします。緊急事態のときだけ返答します」とあらかじめ宣言しておけばよい。
スペインやブラジルでは、有給休暇は年に30日付与され、消化率は100%だという。グリーンさんが指摘するように、大事なのは本人の気構えであり、「上司や周囲が休みを取りやすい雰囲気にしてくれない」という甘えや依存心によって、お互いが足を引っ張り合っているだけなのかもしれない。