Q&AサイトのOKWaveに、こんな質問が載っていました。質問者のDEADSPACE566さんは、IT企業の正社員。客先に常駐して仕事をしています。
最近、自分にはこの仕事は向いていないと感じ、正直疲れてもいるので会社を辞めようと考えています。そこで、その旨を営業担当者に伝えましたが、「3年経ってから辞めて欲しい」と頑なに拒否、辞めさせてもらえないのだそうです。
回答者「どうして悩むのか理解できません」
客先に常駐する仕事は、社員の目が気になり、緊張感が続く場合も少なくないようです。下に見られているような気がしたり、バカにしたような言動をされて嫌な思いをしたりする人もいます。
どうしても嫌なら辞める――。これが大原則ですが、会社に強く引き留められる場合にはどうすればよいか。質問者さんは、次の3つの選択肢をあげて、意見を求めています。
1.辞表を提出し相手を説得して辞める
2.辞表を提出したら相手の話を聞かず走って逃げる
3.相手になんとかこちらの事情を分かってもらい辞める
相手の了解を得るという点では、1と3は同じでしょう。しかし退職に当たっては、前もって「退職届」などによって意思表示をするだけでよく、会社の了解は必要ありません。
回答者からは、当然「2」を支持する意見が相次いでいます。Q&Aサイトには以前からこの手の質問が本当に多く見られるのですが、回答者のyosifuji20さんは「私にはどうして悩むのか理解できません」と突き放しています。
「日本では、職業選択の自由は憲法で保障された基本的人権です。誰もあなたのその権利を侵すことはできません。したがって辞めたければ、あなたの意思だけで辞めてよいのです。会社や上司の承認は不要です。あなたが辞めると言って、その日が来たら出社しなければ良いのです」
さらにこの回答者は、なぜ会社が引き留めるかについて説明しています。
「引き止める上司は、自分の責任部門の人員不足を心配するのであって、あなたの人生を心配するのではありません。いわば自分の業績の方を気にしているのです。本当にあなたの人生を気にする上司ならば、その前にその退職が良いのか悪いのかの心配をしてくれます」
洗脳される前に辞めるのは不幸中の幸い?
ただし、「3年経ってから辞めて」という営業担当者は、自分の都合ばかり考えているわけではないようです。質問者さんの追記によれば、いまの仕事は自分にとってレベルの高い仕事であり、「いつ契約終了になるか分からない不安」が退職理由のひとつになっています。
それを知っている営業担当者は、仕事を通じてレベルを高める可能性に賭けて「辞めないで3年は頑張るべき」と説得してくれた、という側面もあるようです。しかし質問者さんは、自分にはスキルアップできる自信がなく、辞める決心に至りました。
このテーマについては、先日も堀江貴文氏がツイッターで投稿したばかり。労働環境の劣悪な「ブラック企業」について、フォロワーから「経営者」としての意見を求められると、「嫌だと思ったら辞めればいいのでは?辞めるの自由よん」と返しています。
ネットには、ブラック企業に「洗脳」されてしまって辞められない人もいる、というコメントも飛んでいました。逆に言えば、洗脳されないうちに自分の意思で会社を辞められることは、不幸中の幸いなのかもしれません。