スマートフォンで職場を「常時監視」 社長の提案に店長不満顔

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社会保険労務士・野崎大輔の視点
合理的な理由であればプライバシーの侵害にならない

   監視カメラを職場に導入する例は、すでに多くあります。盗難防止のために倉庫に設置したり、不正監視のために工場内に設置されたりしています。小売店でカメラを設置するのは、万引き防止だけでなく、レジや金庫で従業員が不正なことをしていないかチェックするためでもあります。合理的な理由であればプライバシーの侵害や違法行為にはつながりませんが、トイレや更衣室への設置は避けた方がいいでしょう。

   不正をチェックするということは、逆にいうと「不正をしていない」ことの証明にもなります。例えばレジのお金がなくなったときに、自分ではないという証拠が残るということです。セクハラやパワハラも映ってしまうので、従業員の身を守るために活用されるという側面もあると思われます。「サボリがばれるから設置するな」というのもおかしな話ですし、何もやましいことをしていないのであれば、息が詰まるということもないはずです。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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