気づかぬうちに「他人から奪われやすい仕事」に甘んじていないか

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   会社員を辞めて2年近くになります。毎月給料が振り込まれないようになって、あらためて気付くのは、「お金は放っておいても入ってくるものではない」ということです。

   何か他人(ひと)の役に立つこと、喜ぶことをしてあげることと交換で、自分のところにお金が入ってくるのです。それでは他人が喜ぶことって、何でしょう? これは大きく2つの種類に分かれると思います。

「誰にでもできる作業」は途上国に奪われてしまう

工場のキューバ人。ずっとサボっていたが、カメラを向けると仕事をしている振りをしてくれた
工場のキューバ人。ずっとサボっていたが、カメラを向けると仕事をしている振りをしてくれた

   他人が喜ぶことの1つめは、誰にもマネできない価値を提供して相手を幸せにすることです。美味しい料理を提供したり、人を感動させる商品をつくったり、会社の利益を増大させたりすることです。

   これができる人は特別な人であり、多額の報償をもらう場合も多いです。顧客のリアクションは好ましいものが多いので、うまくいっているときには充実した人生を送ることができる場合が多いです。

   2つめは、他人がやりたくない事を代わりにやること。誰にでもできることだけど、できればやりたくないことを代わりにやってあげます。皿洗いや商品の組み立て、めんどくさい書類作成をするということです。

   これも他人を幸せにする点では同じですが、基本的に誰にでもできる作業であり、報酬は顧客のさじ加減一つで変わってしまいます。他にもっと安くできる人が出てきたら、簡単に仕事を奪われてしまいます。「人が嫌がる作業」を代わりにやるので、仕事でストレスが溜まりがちになります。

   今、先進国で起こっているのが、この2つめの「誰にでもできる作業」が、より賃金の安い国の人に奪われる現象です。誰にでもできるから、外国人でもOK。途上国の人なら劇的に賃金を安くできます。

   本当は誰もが、1つめの「誰にもマネできない価仕事」に携わりたいと思っています。しかし問題は、その仕事は誰もがすぐにできるものではないということ。世の中の大多数の人は、「誰にでもできる作業」に携わっているのです。

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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