疎遠な人でも呼ぶ「浅ましさ」になっていないか
とはいえ、それだけ大勢の「友人」を集めることが難しい人もいるだろう。そこで発生するのが、疎遠な人でもどんどん「ご招待」する方法だ。
しかし、あまりに招待者の範囲を広げすぎると、ご祝儀を奮発しない人も中には出てくる。もしかすると「1万円上司」も、しかたなく出席した口かもしれない。招待者の「限界」を超えてしまったのか。
結婚式の二次会に呼ばれて行ってみると、本人にあいさつもできないほどの混雑ぶりに遭遇して閉口した経験のある人も多いことだろう。新郎新婦にゲストをもてなす余裕はないが、大勢の人たちに囲まれていたってゴキゲンだ。
大石氏も、数合わせのための「招待」について、「なんという浅ましさ」「ヒトの善意を食い物にしているとはまさにこのこと」と批判している。
招待されれば断れず、ご祝儀の相場を下回れば「常識知らず」と呆れられる。いっそ勇気を出して欠席できればよいが、それで人間関係が疎遠になるのも怖い――。そんな気の弱い人たちに向けて、今日も「招待状」が送付されているのだろうか。