「いじめられっ子」だったアニメ 世間の評価は時代で変わる

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秋田美人が学生時代はイジメられていた

   別の教育系セミナーで、秋田出身のビジネスパーソンが「アニメ=いじめられっ子だった説」に深くうなずいていました。

「そういえば、同級生のちょっと大人っぽい女の子が、学校にいるあいだは“老けている”っていじめられていたんだよね。今はモデルになっているけど」

   もちろん、時代によって評価が悪くなることもあります。根拠のない攻撃にさらされることもあるかも知れません。しかし、その「評価」「評判」も時代によって変わります。

   学校や職場のイジメもケースバイケースですが、本当に陰湿で耐えられないイジメに対して、教育学の立場からは「つまらない苦労は買うな」と断言します。10代20代の柔軟で、無防備な思考回路は「無力感」をも素直に学習してしまうからです。

   今現在イジメられていても、それが「未来永劫」続くと思わないほうがいい、世間の評価は変わっていくことがあるよと、特にアニメを観ている10代の人には言いたい。

   私たちアニメスタッフは、少しでもアニメで笑顔になってくれるといいなあと思いながら作品を創っています。制作現場で過密スケジュールに追われて疲れてヘロヘロになっても、観ている人から、「元気になりました!」「楽しかったです」と言ってもらえると、実はかなりうれしいものです。

   最後まで読んでくれたみなさん、本当にありがとうございました。今回で連載は最終回です。次はアニメ番組で会いましょう!(数井浩子)

数井浩子(かずい・ひろこ)
アニメーター、演出家。『忍たま乱太郎』『ポケットモンスター』『らんま1/2』『ケロロ軍曹』をはじめ200作品以上のアニメの作画・演出・脚本などに携わる。『ふしぎ星の☆ふたご姫』ではキャラクターデザインを担当した。仕事のかたわら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程に在籍。専門は認知心理学
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