「経験値」を上げさせてもらえない今どきの若者たち

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国の研修プログラムと海外就職はねらい目

   これは非常に大きな問題で、放置しておけば次世代の生産性が大きく下がってしまいます。将来の成長戦略を考えるなら、ある程度国家が介入してもおかしくない話です。

   実際、先週紹介した大阪府の「中小企業グローバル人材育成事業」は、研修による「経験値」と就業訓練による「職歴」、さらに「お金」を税金から出す事業です。冒険の取っ掛かりが掴めない人にとって、この上ないプログラムだと思います。

   ただし、国がやるのは「最初のレベル上げ」の手伝いだけで、その後は自分の力で冒険していくしかありません。期間限定で、レベルアップのチャンスだけを与える。プログラムを受ける人は、この機会に目いっぱいレベルを上げないとその後手詰まりになると意識して、全力で経験を積んで欲しいと思います。

   自分が「スライム1万匹」の仕事をしていると感じる人も、どうやって次のステージに進むかを考えてみてください。「今は辛くても、レベルを上げて成長すれば楽しい未来が待っている」と心から信じられる職業人生を送れる社会は、昭和の日本にはありましたが、21世紀の東南アジアにもあります。

   残念ながら、21世紀の先進国では、未来を自分で切り拓いていくしかないのです。国の支援プログラムに参加したり、景気のいいところに仕事の場を移したりするなど、チャンスはまだまだ残っています。機会をうまく使って楽しい未来を自分で作っていきましょう。(森山たつを)

※大阪府「中小企業グローバル人材育成事業」の詳細は、下記のページをご覧ください。
◇中小企業グローバル人材育成事業募集ページ
http://www.pref.osaka.jp/rosei/000-koyousuisin/overseas-training.html
◇グローバル人材育成事業詳細説明(森山たつをblog)
http://morizo.asia/?p=2812
森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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