「美しい男女だけが入会できるコミュニティーサイト」が海外にある。その名も「BeautifulPeople.com」だ。出会いを求める世界中のイケメン、美女が登録し、交際に発展する人たちも少なくない。
このサービスが男女のマッチングに加えて、今度は企業を対象とした人材紹介を始めたという。ルックス重視の採用ニーズは高いのだろうか。
見た目が魅力的な人は「クライアントに好印象与える」
サイトの一部は日本語表示。トップページは韓流イケメン＆美人？
「美男美女の人材サービス」を取り上げたのは、英テレグラフ紙電子版2013年6月3日付の記事。企業がBeautifulPeople.comにアクセスすると、求職中の会員情報を閲覧できるという。
企業による求人広告のサイト内掲載を許可し、会員側から企業に直接接触することも可能だ。同社の経営幹部はテレグラフ紙の取材に、「見た目が魅力的な人は初対面のクライアントに好印象を与え、より多くの受注と高収入を手にできる」と自信満々で回答している。
2001年にデンマークでスタートしたこのサービスは、会員登録の成否もルックスで決まる。登録自体は無料だが、氏名や性別、国籍などを入力したうえ自身の顔写真も添えなければならない。
登録情報を送信してから48時間以内に、異性の既存会員による審査が行われ、一定の基準を満たすと晴れて入会となる仕組みだ。先輩格からイケメン、美女と認められなければ仲間入りできない。
これまでに75万人が会員となり、700組を超えるカップルが結婚、交際中なのは数千件レベルだという。サイトの一部は日本語表示される。
雇用側で実際にサービス利用を考えている人もいるようだ。テレグラフ紙の記事では、米ロサンゼルスの不動産会社CEOのコメントを紹介している。
「美男美女の方が、クライアントからのウケがいいのは間違いない。競争の激しい業界では、いかなる長所も（競合を上回るうえで）有効だ」
人事担当者「経営者が利用するとは思えない」
しかし、米オンラインITニュース「Mashable」に寄せられた読者の意見を見ると、「見た目の美しさで社員を採用するなんて」「ばかばかしい」と眉をひそめる人も少なくない。
人事担当と思われる人物からは、強い拒否反応もあった。「ほとんどの経営者は、このサービスを使うとは思えない」と断言。ルックスを基準に採用を決める行為が「差別と認定されかねない」と指摘する。
ほかにも「業務への熱心な取り組みや高いモチベーション、才能といった内容だけでは（就職上）不足、というのでしょうか」と、見かけ重視に対する批判も出た。
一方で、ロンドン在住のブライダルデザイナーは、スタッフ採用でこのサービスの利用を検討するという。花嫁は自分の結婚式を「完璧な1日」にしたいと考えているため、周囲に「美しいスタッフ」を揃えることで記念の日に花を添えるというわけだ。
しかし、美男美女ばかりが並んでいると、容姿に自信が持てない花嫁からかえって不興を買わないだろうか。
BeautifulPeople.comは元々「お騒がせサイト」である。2010年には太りすぎなどで「見た目が以前と比べて美しくなくなった」ことを理由に、5000人の会員が突如強制退会させられて話題となった。
