「まさか元警部さんが…」パチンコ店組合の事務局長が数千万円を横領
横領犯には誰もがなりうる。例外はない。某県内のパチンコ店組合の事務局長A(60代の男性)が、組合の預金を無断で解約し数千万円を横領したとして解雇された。Aは県警で刑事課長などを務め、2006年に依願退職。3年後に組合の事務局長として再就職し、組合費の集金・会計をすべて任せられていた。
組合関係者にとっては青天の霹靂。「まさか元警部さんが…」と絶句したはずだ。警察OBだからと安心して任せきっていたのだろう。しかし、しょせんは人の子。カネにも困れば欲も出る。そんなときにカネの管理をすべて任せられれば、「ちょっと拝借」となってしまっても不思議ではない。
うがった見方だが、Aが警察を依願退職した理由にやましいことはなかったのか、気になるところだ。組合は、Aを採用する時に警察での経歴や退職の経緯をどこまで確認したのだろうか。「県警の元警部」というだけで、何のチェックもしなかったのではないか。不正防止は水際から。採用時のスクリーニングは非常に重要だ。
お互いに不幸にならないために、相手がどんなに「しっかりしている人」であっても、カネの扱いは一日たりとも任せきりにしてはならない。「信頼しても確認を怠るな。」これが不正防止の鉄則である。(甘粕潔)