若いころはファッション雑誌やショップをチェックして、流行のファッションを追いかけていたのに、最近はすっかり街にも出なくなり、気づけば数年前に買った洋服ばかり着まわしている...。そんなライフスタイルに心当たりはないだろうか? そうは言っても、
「独身時代ほどファッションにお金がかけられないし、買う暇もないよ!」
という男性読者の声が聞こえてきそうだが、そこでうまく利用したいのがネット通販だ。特に、いま最も旬のブランドやアイテムを敏腕バイヤーが買い集めて揃えてくれる「セレクトショップ」がネット展開しはじめたので注目してみたい。
ネット時代に改めて脚光を浴びる「ビームス」
ここでセレクトショップの歴史を紐解いてみよう。1970年代のアメリカ西海岸のファッションスタイルを日本に紹介し、当時の若者からの絶大な支持を受けたのは、1976年にマガジンハウスから創刊された情報誌「ポパイ」だ。
同じ年、自社で作って自社で売るのが当たり前だったアパレル業界に、アメリカやヨーロッパから「カッコよくて新しいもの」を買い付けてきて、それをミックスして一つの店で売る店が原宿や渋谷に誕生した。それがセレクトショップの草分け、ビームスである。
ビームスとポパイは双子のように成長し、日本の男の子たちにファッションを教えていった。アメリカ文化に憧れたポパイ少年たちは、大学生になって「日本のDCブランド」を着る楽しみを覚え、就職するとイタリアの伊達男を気取ってスーツを着た。
セレクトショップの着こなしの提案は、日本のオトコのファッション意識をグッと高めてきた。ただ残念なことに、会社に就職して家庭を持つようになると、ファッションへの関心が急に薄れてしまうのが一般的な日本人男性の姿。洋服を買う楽しみも忘れて、
「スーツは仕事着。休日もラフな格好でいいや」
とショッピングも億劫になり、会社でも家庭でもモテ度ゼロに近い。そんな「イケてないオヤジ」への道をまっしぐらに進んでいないだろうか。そこで流行りもわかるデキル男への復活のチャンスが、ネットでの通販の活用だ。