社員の残業代要求で「人間不信に陥る」 運送会社社長の嘆きに非難殺到

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義務を果たさぬ社長は説得力に欠ける

   2013年5月には、神奈川県の運転手が勤務先である都内運送会社に対して、残業代およそ700万円の支払いを求めて東京地裁に提訴した。報道によると、勤務時間は1日11時間を超えて時には20時間に到達、サービス残業も強いられたそうだ。

   トラック運転手の時間外労働については、厚生労働省が「労働時間の延長の限度等に関する基準」を出している。そこで規定されている「拘束時間」は、時間外労働時間や休日労働時間を含む「労働時間」と「休憩時間」を合わせて、原則として1か月最大293時間となっている。

   ただし年6か月までは、年間拘束時間が3516時間を超えない範囲で、月の拘束時間を320時間まで延長できる。また1日の拘束時間は原則13時間で、延長する場合も16時間を限度とする。また「労働時間」には運転時間だけでなく、荷待ちの時間も含まれる。

   時間外労働や休日労働を行う場合は、労使間で「36協定」を結ぶのは他業種と同様で、当然ながらその分の「残業代」を運転手に支払わねばならない。

   「物流ウィークリー」の記事を読む限り、運転手がどのような労働環境に置かれていたのか詳しくは分からない。ただ、支払われるべき残業代が未払いで、請求されたら「払えない」と突き放した社長の行動は法的に問題があるだろう。「平気で会社を裏切るドライバー」という不平にも、義務を果たしていないのでは説得力に欠ける。

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