社会保険労務士・野崎大輔の視点
健康状態の「虚偽申請」は懲戒処分の対象になりうる
採用の自由は最高裁でも認められており、精神疾患の既往歴を確認することは法的に可能です。しかし面接中に面と向かって「うつ病になったことはないですよね?」とは聞きにくいものです。健康状態についての質問項目を記載したチェックシートを作成し、メンタルヘルスの項目を入れて面接時に記入してもらえばいいでしょう。
「記載したくない箇所は記載しなくてもかまいません」というスタンスにすることも大事です。「答えたくない」と言われた場合でも執拗に聞くようなことはせず、採用時の判断材料の1つとすればよいと思います。それでも、精神疾患の病歴を隠されて「健康」とウソをつかれる可能性もありますが、会社に申告していない既往歴が発覚すれば、入社時の虚偽申告になるので懲戒処分を下すことが可能です。そのときのためにも、入社時には必ず病歴を確認し、就業規則の懲戒規定を整備しておく必要があります。