マイナビニュースが会員を対象に「不倫カップルが多そうな温泉地を教えてください」というアンケート結果を発表している。1位の箱根温泉(神奈川)と2位の熱海温泉(静岡)は男女とも同じ順位だ。
言うまでもなくこの手の調査は、自分の実体験を反映しているとは限らない。お気に入りの場所を勝手に「不倫の名所」のように言われて不快に思う人もいるかもしれないが、一種の妄想も含まれていると考えた方がよいだろう。
「あれは町田の疲れたサラリーマン」との指摘も
1位の箱根温泉には、男女で共通するコメントが寄せられている。それは「金曜のロマンスカーには不倫カップルがたくさん乗っている」という噂だ。
ロマンスカーとは、新宿と箱根湯本を約1時間半で結ぶ小田急線の特急列車のこと。28歳の女性団体職員は「都心から近いし、隠れ家的な宿も多いそうだから」と、箱根を密会場所にする理由を推測する。
噂の元は数年前の週刊誌らしいが、本当だろうか。記事には「ロマンスカーの不倫カップルの女性は妙に色っぽい人が多い」とまで書かれていたという。こんな話を聞くと、ロマンスカーの名前すら意味深に見えてくる。
ただ、ツイッターを見ると「あまりに嘘すぎて笑った」という書き込みも見られる。金曜夜のロマンスカーが会社員風の人たちで満員なのは、東京・町田近郊に住むサラリーマンやOLが利用しているからだというのだ。
1週間の激務を終え、疲れ果てて帰途につくとき、プラス400円の特急料金を払って、ゆったりしたシートに身体を沈める…。そんな週に1度のプチぜいたくを楽しみにする人から見れば、不倫列車など笑い話としか思えない。
男性4位の由布院「遠いからバレない」
熱海温泉と回答した人の中には「経験者」もいた。IT企業のクリエイティブ職で働いている63歳の男性は「東京にいるとき、実際に熱海で待ち合わせしました。そういうところでしょ」と平然と答えている。
男性の3位には湯河原温泉(神奈川)、女性の3位には草津温泉(群馬)が入っている。26歳の女性事務職が草津温泉を選んだ理由は「混浴が多いイメージがある」からだという。
ランキング上位を首都圏の地名が占める中、男性の4位に大分の由布院温泉が入っているのが興味深い。技術職の29歳男性は「東京とかから、こっそり旅行に行きそう。遠いからバレない」と妄想を膨らませる。
営業職の38歳男性は「大学卒業してすぐくらいのおねえちゃんが、おじさんに連れられてくる様子をいやと言うほど見たことがあるから」と明かす。やけに詳しいが、現地の旅館にでも勤めている人なのだろうか。
長引く不況で、しばらくは「ワケあり雑誌」や「ワケあり商品」の売れ行きはさっぱりだったようだが、アベノミクス効果で少しは動き始めるものもあるのかもしれない。