島耕作も乗り出したジャカルタ しかし雲行きはすでに怪しく…

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現地では「中長期的には成長する」と確信しているが

   私が訪れた5月1日のメーデーは、日中デモ隊がジャカルタの目抜き通りを封鎖し、交通が麻痺状態に陥りました。あまりの惨状に、大統領が来年からメーデーを国民の休日にすることを宣言しています。

   デモの参加者たちは、国民の反発を買うことを政治家ができないのを、よく知っているのかもしれません。デモをすれば賃金が上がるという成功体験と、それを先導する市民組織の存在により、頻発するデモによって数日間の操業停止に追い込まれている日系企業の工場がいくつもあります。

   事業計画を根本から考え直さなくてはならない賃上げに加えて、デモで操業停止になる。大企業であれば持ちこたえられますが、中小企業は撤退せざるを得ないところも出てきています。

   このように、ジャカルタではあちこちに急成長の歪みが生じており、大統領選挙を前にしてそれが表面化しつつあります。

   現地の多くの方は「中長期的には成長する」という事を確信しているのですが、目先の2、3年、特に大統領選挙後の動きには要注意であると言っています。良くも悪くもより一層注目を集めそうなこの国について、私も注視していきたいと思います。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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